研究費の申請書の英語化について

UNCに着任してから7か月がたち、1月からはTeachingも始まった。今学期はAquatic Ecology(75分、週2)とそのLab(3時間、週一)という感じなのだが、なにもガイダンスもないまま「任せた!」みたいな感じで放り投げられるので、いろいろとミスしている。そもそも変な時間帯に授業時間をセットしてしまったようだ、知らずに。授業中も「マジ何こいつの英語」という学生の視線に気付きながらも、強い気持ちで授業を展開している。いや、嘘だ。すごいナヨナヨだ。これも数年すればまともになるのかなぁ(遠い目)。ただ、それなりのプレッシャーがあるので、準備のために1000p程の教科書を読み直し、だいぶ論文[特に数理]も読み直した。これはこれでいい勉強と思うことにする。さて、そろそろ本題の研究費申請の英語かについて書く。

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研究費申請のあれこれ

研究費申請についていろいろ経験したのでシェアしたいと思う。こちらの研究費申請の書類はもちろん英語なのだが、日本の科研費の書類と異なり、随分と重厚な計画が求められる。NSFの場合、計画部分だけで15ページ+引用文献リストという感じで大体20ページくらいになる。これらにサポートレターとか、予算申請額の細かい情報も付け足していくと、最終的には80Pから100Pくらいの書類が出来上がる。査読する側もご苦労さんです、という感じ。しかし、NSFしか今のところ大規模なものは経験していないが、英語で書くということは、そのまま論文にできるピースが一通りそろう、というのはいいところだなぁと感じた。日本語の場合、研究費申請と論文書きが完全に分離してしまうので、その点は日本語のほうが大変と感じる。

こうしていろいろ書きながら思うのは、いまだに日本の研究費申請はなぜに日本語なんだろう、というところ。分野によっては日本語が主体となるものもあるので統一的にするのは難しいだろうけども、海外学振のような海外向けの申請書は英語にしなければならんでしょう、さすがに(英語で書くことも許されているけれども、現状では審査上不利益を被ることが見え見え)。というのも、いま、学生やポスドクを受け入れる立場になり、幸運にも中国から申請があった。その学生に聞いたところ、中国の(海外渡航向け)申請書はすべて英語に統一されているようで、この時点で何かもう、だいぶ負けている気がする。その学生の申請書も完璧にはほど遠いけれども、きちんと読める英語の文章だった。日本、大丈夫か。

英語にするメリットとして査読を海外に投げられる、というのがある。私の分野(Ecology)ではイギリス生態学会がまさにこのシステムを取り入れており、研究費用の有志による査読者プールを作っているようだ(link)。欧米の変な競争原理とか資金集中とかそんなところは真似ずに、こうした有効なシステムこそ真似てほしいと思うのだが、いかんともしがたいのだろうか。

ただそれ以前に、日本の一番の問題は、こうした意見があっても、権限をもつ人間へそれを届ける術がないところに起因する気もする。いつまでたってもTwitterの中でいかにも正論がぐるぐる回るだけで、何も改善にはつながらない。このブログもその一つだけれども。対照的に、アメリカの大学でファカルティとして働き始めて驚いたが、学部長レベルの人が定期的にAssistant Professorと話す機会も設けているのだ。下から間を挟まずに意見を通す機会がある、というのがアメリカのいいところかもしれない。日本はどうなのだろう、多くの場所ではないような気がする。

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