セミナーシリーズ

最近、アメリカでもセミナーシリーズに呼んでいただき、いろいろと経験値が溜まってきました。セミナースピーカーとの交流を重視するアメリカのやり方について分かってきた部分もあるので、ちょっとまとめてみたいと思います。セミナー自体というよりは、セミナー以外の部分に焦点を当ててみます。ただし、Ecology分野の話になるので、他分野ではまた違うかもしれません。

全体的なスケジュール

スケジュールとしては、1日目)到着、2日目)セミナー、3日目)その他イベント、4日目)帰着、となっているのが一般的なようです。大学がセミナー用の予算をもっていることが多く、その予算の中でスピーカーの食事、ホテル代、移動費もカバーしてくれます。セミナーは1時間のフレームが一般的で、45分程度の発表を行うのが多いです。その他イベントには、フィールドトリップだったり、川のラフティングだったり、スキーだったり、野球観戦だったり多様なものが入ります。このあたりは日本と異なり大きな制約はないようで、スピーカーを楽しませようという気持ちが大きいようです。日本ではちょっと難しそうですが。
 また、ここが日本との大きな違いと思いますが、空いた時間には大学の人(特に院生)とマンツーマンのミーティングを行う時間が設定されます。例えば、スピーカーの滞在中の予定を書き込んだスプレッドシートがメーリスで通知され、「話したい人は空いているスロットに名前をいれてください」といった形でミーティングがセットされていきます(ここまでフォーマルにやるかどうかはホスト次第のようです)。これは、院生が有名な研究者とつながりを作る時間になっており、共同研究への発展やポスドク先が決まるといったようなことも起きていそうです。こうした交流の仕方はヨーロッパでも一般的なようで、アイルランドでセミナーをやったときもありました。

顔がつながってこその研究成果

ここまでの経験の中で、ある疑問に対する答えがわかってきました。日本と欧米を比べたとき、正直研究の質にそれほど大きな差があるとは思えません。しかし、それでもなおこれだけ被引用件数に差が出るのかを考えると、著者の「顔が思い浮かぶかどうか」にかかっている気がします。論文を書いているとき、「あぁ、この研究だったらあの人の論文だな」みたいな。やはりセミナーで話を聞いた、実際に会って議論をした、そういった人々のほうがイメージとして浮かんできやすいのでしょう。いい雑誌にいい論文を書けば引用されると思っているアジア人は多いかもしれませんが、実際のところはそんなことはなく、プロモーションが必要なのだと思います。その意味においても、地理的に離れ、英語に弱いアジア人が(研究の質が同じとしても)あまり引用されないのは頷ける気がします。

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